どういった経緯で歯科医師になられたんですか?
両親ともに歯科医師なのですが、自宅が医院とつながっており、母が毎日診療しているため歯科が身近でした。父は歯科大学の職員でしたが、仕事が終わって帰宅してから母を手伝うこともあり、幼い頃から両親が働くのを見ており憧れていました。また、治療を受けた患者さんが笑顔で帰っていくのを見ると自分も嬉しく誇らしい気持ちになったものです。小学生くらいから将来の夢が歯科医師になり、高校生で進路を選ぶ際に父が勤めていることもあり、歯科大学の歯学部へ進学しました。父の職場の方が、私が幼い時から遊んでくださったり、家族ぐるみのお付き合いをしていたのも、進学の後押しになりました。母は歯科治療全般をおこないますが、矯正歯科は専門外だったため私がそこを補えればと思い、大学を卒業後は研修医を経て歯科矯正学講座に残り、11年間大学に勤務しました。
特に力を入れている治療や方針は?
矯正治療は表側のワイヤー矯正、裏側のワイヤー矯正、マウスピース矯正、小児矯正をおこなっています。また、不正咬合と言われる悪い歯並びは、原因の多くが唇・頬・舌・呼吸・姿勢などにあります。そのため筋機能療法を指導することもあります。小児矯正は、症例によりますが早期に治療することで将来起こりうる顔の歪みや顎のズレを予防することが出来るため、適切な装置を使用し良い噛み合わせ・バランスの取れた顔貌を育てます。成人矯正も、ご本人の気になっている所と全体的なお顔のバランスを整えるために、抜歯・非抜歯を選択して治療します。なるべく抜歯せずに済むような治療を心がけておりますが、歯を抜かずに並べた結果、歯並びは良いが口が閉じにくく口ゴボになってしまったり、咬み合わせが悪くなるようなケースでは説明し同意を得た上で抜歯を伴う矯正治療をおこないます。当院の方針として、無理に治療を勧めることはありませんし、費用や通院の負担が減るように必要な治療だけを提供します。
仕事へのこだわりを教えてください
矯正治療は目に見えて結果が分かるため、患者さんが笑顔になれるよう、より良い治療結果を得ることを目標にしています。患者さんの不安を払しょくするためにも、治療の進捗が分かるよう経過の写真撮影をしてお見せしています。また、生体に対して無理を通すような治療は決してしません。例えば顎を広げる治療ですが、すべての人にそれぞれの限界値があり、それを超えて広げると、後戻りが必ず起きますし、最悪のケースでは顎の骨から歯が飛び出ることもあります。 当院では、皆さん初めての歯科医院で心配なことも多いでしょうから、矯正相談の初回は無料で受けられるようにしています。おおよその治療費・治療期間など、診察から分かることをお伝えしています。 他の歯科治療にも言えることですが、矯正治療は技術が身に着くまでに時間がかかる分野です。新人時代は先輩や指導医について見学をし、レントゲンや模型の分析をひたすらおこないます。ワイヤーベンディングといってワイヤーを曲げる練習もしますし、矯正に関係してくる発育学や解剖学、分析法、材料に関する知識などを学びます。先輩に質問ばかりするわけにもいかないため、その頃から矯正治療の基礎~臨床の書籍をよく読むようになりました。また、学会や講習会に参加することで知識と技術をアップデートしています。つまるところ、すべての学びが仕事に直結するため、日頃から学ぶ姿勢を大事にしています。
お休みの日は何をしていますか?
お休みの日は、矯正治療の最新知識を深める読書と、家族とスポーツ観戦を楽しんでいます。
最後に患者様へメッセージをお願いします。
矯正治療は数年かかるものですし、患者さん自身に協力していただくこと(例えば装置の使用時間やハミガキなど)が多い分野です。我々スタッフとの二人三脚で、より綺麗な口元と健康な咬み合わせを目指しましょう。