どういった経緯で歯科医師になられたんですか?
父が歯科医師をしており、自分は2代目です。原点は毎晩充実し高揚した面持ちで帰宅してくる父の姿ですね。その楽しそうに帰宅する姿を見て、自然と歯科医師という仕事にあこがれを持ちながら育っていたのだと思います。
大学卒業後、多くの素晴らしい先輩歯科医師たちと出会いたくさんの刺激を受けました。共通する事はみな歯科医師という仕事を心から楽しんでいたこと。そんな熱い人たちと交流を持つ事で、この仕事がもつ楽しみや喜びを経験してきました。
卒後10年以上の経験のなかで自分の仕事のスタイルも確立しつつあります。またありがたいことに現役の父と長い時間仕事を共にすることができていますが、当時と変わらず楽しそうな姿を見せてくれます。今では仕事を共通の趣味のように携わることができるのも、とても恵まれているなと感謝しています。自分の子供達にも、楽しそうに帰宅する姿を見せられることがなによりの喜びです。
仕事をする上でのこだわりを教えてください。
患者さんにとって有益でフェアな治療を目指しています。まずは提案できる治療方針の多さ。自分がしたい治療、得意な治療を勧めるのではなく、患者さんの状態に対して選択肢をできるだけ多く提案します。それが当院を訪ねてきてくれた患者さんに対する私の責任であり、誠意であると考えています。様々な治療法を提案し、個人個人の希望とすりあわせながら共に治療計画を立てていく事を楽しみにしています。少しでも治療の選択肢を多くするために、常に歯科業界の最新知見を得るように努力しています。
また治療に関しては見えないところこそしっかりと、表面からは見えない部分に使用する素材や仕上げを特にこだわるようにしています。小さなこだわりや積み重ねが良好な結果に繋がると考えています。治療費用に関しても患者さんごとに予算が異なるわけですから、自分事に置き換えて相談に乗りアドバイスをするように心がけています。そして同時に治療期間の短縮にも努めています。できるだけ通院回数を減らし、患者さんの貴重な時間をできるだけ奪わないように効率のいい治療を提供できるようにしています。
現在はインプラント治療、特に全顎的な治療を日々のメインとしています。総入れ歯や、重度の虫歯、歯周病などでお困りの患者さんの悩みをわずか2時間ほどで解決できる治療に大きな魅力と可能性を感じ、全力で取り組んでいます。治療後に悩みから解放され喜びのあまり泣き出してしまう患者さんもいます。その涙を見たとき、歯科医師をしていて本当によかったと感じられる瞬間があります。誰かが喜んでくれる治療を本当にこだわって丁寧に行う、これが私の仕事への一番のこだわりです。
お休みの日は何をしていますか?
幼稚園と小学校に通う子供達が3人いるので、休みの日は一緒に過ごす事を大切にしています。釣りやスキー、ドライブなど元々アウトドアの趣味が多いので、いまは子供たちに教えながら遊びに付き合ってもらっています。またインプラント治療のセミナーを主催しているため、休日には当院の研修施設を使って日本中の歯科医師に全顎治療の講習を行う事もあります。参加される熱量の多い歯科医師との交流はとても有意義で、わたしに更なるやる気を与えてくれます。
最後に患者様へメッセージをお願いします。
歯科治療というのは、痛い、何度も通わなければいけない等ネガティブなイメージが強い分野だと思います。しかし一番歯科治療が嫌われる原因のひとつに治療に対する不信感のようなものがあるのではないでしょうか?実際、当院へ転院される患者さんの中には、正しい治療がきちんと行われているのに明確な治療方針や選択肢の説明を受けていないため前医に対して不信感を抱いている方が非常に多いと感じます。これでは歯科医師と患者さんの関係としてはとてももったいないと思います。治療内容を理解せずに、言われるがままに治療を受けるということは、不利益になるリスクが高いでしょう。幸いにして現代は患者さん自身が情報を得られる環境があるので、まずは自分の病状や受ける治療について十分に理解するべきだと考えています。
同時に我々歯科医師側も、患者さんが質問しやすくなる関係性や環境を整えるべきであると思います。患者さんは情報を知る権利がありますし、私たちは持てる知識や技術を隠さずに提供していく、これが実現すればフェアな医療が成り立つでしょう。
当院が目指しているのはフェアな医療の提供です。患者さんの痛みをとるのはもちろんのこと、治療に対する不安を理解し、歯科医師患者さんの良好な関係の中で治療をスピーディーに完了していくこと、これが一番の目標です。小さな事でも歯科治療でお悩みの事があればご相談いただければと思います。