歯周病は歯を失う原因の第1位!お口の健康維持に欠かせない予防歯科の重要性

監修者

田中 英光

経歴

長崎県佐世保市出身
日本大学歯学部歯学科卒業
高幡駅前歯科

資格

【所属学会】
日本口腔インプラント学会
日本小児科学会
日本歯周病学会

歯医者といえば、昔は虫歯や歯周病になってから通う場所でしたが、近年は虫歯や歯周病になる前に、予防するために通う場所という意識が広まってきました。

治療する前に予防する「予防歯科」が大切なのはなぜでしょうか。

また、お口の中のトラブルで多いものは虫歯と歯周病です。

虫歯は歯を失う原因の第2位で、歯周病は第1位となっています。

歯を守るには、これら二つの病気を予防することが大切です。

今回は、予防歯科の重要性と歯周病の怖さについてお話しします。

予防歯科で歯を虫歯や歯周病から守りましょう

なぜ、予防歯科が重要なのでしょうか。

それは、歯を失ってしまうと元には戻せないこと、歯が健康維持の上でとても重要な役割を持っていることに由来します。

身体には、時間が経つと元通りになる組織と、そうではない組織があります。

元通りになる組織は、たとえば肌や爪、髪の毛などです。

しかし、歯は一度削ってしまったら元に戻ることはありませんし、抜歯したら二度と生えてきません

歯ぐきも同様です。

歯周病が悪化して歯ぐきが溶かされてしまうと、現代の技術では元通りの健康的な歯ぐきを取り戻すことは難しいのです。

歯は全身の健康維持に役立っています

歯は、食べ物を細かく噛み砕くだけではなく、全身の健康維持に役立っています。

自分の歯で噛んで顎や脳に十分な刺激を与えることで、機能の維持や認知症の予防につながります。

逆に、歯が抜けてしまうことでよく噛めなくなるだけでなく、身体がバランスを崩して頭痛や肩こりの原因になったり、転倒リスクが上昇したりしてしまうのです。

身体が栄養を十分に取れなくなることで免疫機能にも影響するだけでなく、寝たきりコミュニケーションの低下にもつながります。

歯の機能は義歯ではすべて補えません

「歯を失ってしまったら入れ歯などで補えばよいのでは?」と思われるかもしれませんが、義歯では歯の持つ機能をすべて補うことは難しいのが現状です。

入れ歯は噛むときの刺激が顎に十分に伝わらないため、顎の骨や筋肉は少しずつ痩せていきます。

また、歯に代わる義歯として人気が高まっているインプラントも、埋入するには十分な骨量が必要であるなど、すべての方に適用できるとは限りません。

インプラント周囲炎という、インプラントの歯周病のリスクもあります。

ご自身の歯をいつまでも使い続けることは、身体全体の健康を維持する上でとても重要なのです。

歯を失いたくないなら歯周病ケアは欠かせません

歯を失う原因の第1位が歯周病です。

日本では国民病の一つともいえる歯周病は、予防歯科の考えが広まったことで少しずつ減少してはいますが、それでも多くの世代で6~7割程度の、何らかの歯周病の症状が確認されています。

歯周病は、自覚症状がわかりにくい病気です。

歯周病の初期症状は、歯ぐきからの出血や腫れです。

症状が進んでいくにつれて、歯周ポケットが深くなって歯が長くなった・歯ぐきがやせたと感じるようになったり、口臭が出たりします。

歯ぐきの色や出血、腫れがみられたら、なるべく早く歯医者で診察してもらいましょう。

歯周病は全身疾患とも関連する

歯周病の恐ろしい点は、症状がお口の中だけにとどまらないことです。

歯周病によって引き起こされる病気や症状は、以下のものが考えられています。

  • 狭心症や心筋梗塞
  • 脳梗塞をはじめとする脳血管障害
  • 動脈硬化
  • 早産、低出生体重児の出産
  • 誤嚥性肺炎
  • 関節炎 など

歯周病の原因は歯周病菌によって歯ぐきに炎症が引き起こされることですが、症状が進行すると血液を介して菌が全身に回ります

その結果、誤嚥性肺炎心疾患脳梗塞動脈硬化などの病気の進行に影響をおよぼすと考えられているのです。

また、歯周病は女性の健康にも大きく関わっています。

妊娠中は、歯周病の悪化で炎症を引き起こすプロスタグランジンという生理活性物質が増加することで、早産低出生体重児の出産のリスクが上昇することがわかっています。

女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が低下することで骨粗しょう症になりやすくなりますが、これも歯周病と関連が深い症状です。

骨粗しょう症の患者様は、歯周病の進行が早い傾向にあることが報告されています。

歯周病は糖尿病とも関係が深く、どちらか一方が悪化するとお互いに影響し合うことがわかっています。

お口の健康だけでなく、全身の健康を守る上で歯周病予防は欠かせないのです。

定期検診でお口の健康を維持しましょう

お口の健康を維持するには、定期検診とお口の中のクリーニングを受けることが重要です。

定期検診を受けることで虫歯や歯周病をはじめとするお口の中の病気の早期発見につながります。

早期発見ができれば、治療は最小限にとどめることができますし、治療後の早い回復も見込めます。

虫歯の場合、ごく初期であれば削らずに治すことも可能です。

クリーニングも、お口の健康維持には欠かせません。

お口の中の汚れは、どれだけ丁寧に歯を磨いても、毎日少しずつ蓄積していきます。

お口の中の汚れは、虫歯や歯周病の原因になるため、定期的なクリーニングでしっかりと除去することが大切です。

定期的にクリーニングを利用することで、歯を失うリスクをおよそ3分の1に減少させられる結果も報告されています。

予防歯科は昭島わん歯科・矯正歯科におまかせください

東京都昭島市昭島わん歯科・矯正歯科は、予防歯科を大切にした歯科医院です。

できるだけ歯を抜かない・削らない治療」を心がけており、患者様の歯をより長く維持できるよう努めてまいります。

お子様の治療からシニアの方まで、幅広い歯科診療が可能です。

歯医者に通い始めたばかりのお子様も診療の間に楽しくご利用できるように、キッズスペース大型犬と触れ合えるスペースもご用意しています。

カウンセリングを重視した患者様に寄り添った診療を行いますので、お口の健康のご相談は当院をご利用ください。

 

参考:厚生労働省|e-ヘルスネット|口腔機能の健康への影響

参考:J-STAGE|日本転倒予防学会誌|歯科から考える転倒

参照:厚生労働省|e-ヘルスネット|メインテナンス

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