歯周病は、じつは女性ホルモンの影響を受ける病気の一つです。
歯周病を引き起こす細菌の中には、女性ホルモンの分泌が増えることで活動が活発になる種類がいるため、妊娠中は歯周病が悪化しやすくなります。
妊娠中であっても、できる範囲で口腔ケアに取り組むことが大切です。
しかし、妊娠中はつわりをはじめとする体調不良や、お腹の中の赤ちゃんへの影響が心配で、歯医者への通院をためらわれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は妊娠中の歯周病リスクだけでなく、妊娠中でも利用しやすいマタニティ歯科をご紹介します。
無理のない範囲で歯周病対策を行って、お腹の中の赤ちゃんのすこやかな成長・出産につなげましょう。
また、雑色駅前おとなこども・たけお歯科は、母子ともにすこやかであるために、0歳からの虫歯予防に取り組んでいます。
歯が生えてからの虫歯予防の大切さや小児歯科に通うメリットをあわせてご紹介します。
妊娠中の歯周病の悪化は出産時のリスク増に!
妊娠中の歯周病の悪化でもっとも気をつけたいことが、お腹の中の赤ちゃんへの影響です。
厚生労働省が発表している資料によると、妊娠中の歯周病の悪化によって、以下のように出産時のリスクが増加します。
- 早産のリスク 2.01倍
- 低出生体重児出産のリスク 2.20倍
- 早産および低出生体重児出産のリスク 4.68倍
これは、歯周病になると分泌される炎症物質「プロスタグランジン」が、子宮の収縮を誘発してしまうことに由来すると考えられています。
「プロスタグランジン」の影響
プロスタグランジンは、炎症や痛みを引き起こしたり、子宮の収縮を誘発したりする生理活性物質の一つです。
そもそも炎症とは、菌や細菌、ウイルスから身体を守ろうとして起こる反応であって、原因となる菌や細菌、ウイルス自体が身体を溶かそうとしているのではありません。
身体が炎症を引き起こすことで、感染源と戦います。
歯周病は歯周病菌が歯ぐきや骨を溶かしていくのではなく、正しくは歯周病菌をやっつけるために身体が炎症を引き起こしている状態です。
歯周病菌の数が増えるほど、身体は歯周病菌に抵抗するためにプロスタグランジンを多く分泌して炎症を引き起こします。
早産や低出生体重児の出産は、このときに分泌されるプロスタグランジンが影響してしまうのです。
妊娠中になりやすい「妊娠性歯肉炎」
妊娠性歯肉炎をご存じでしょうか。
妊娠性歯肉炎はおよそ6~7割の妊娠中の女性にみられる症状で、13週~40週の間でよくみられます。
そして、出産が終わると元の状態に戻ることが特徴です。
妊娠性歯肉炎が発症しやすい妊娠13週以降、唾液に含まれるエストロゲンという女性ホルモンの量が増加することがわかっています。
歯周病菌の中には、エストロゲンやプロゲステロンをエサとして活動するものがいると考えられています。
これも、妊娠中に歯肉炎が好発したり歯周病が悪化しやすくなったりする原因の一つといえるでしょう。
そのほかにも、妊娠中に口内環境が悪化してしまう原因は、プロスタグランジンや女性ホルモンによる影響だけでなく、以下のようなことも考えられます。
- つわりがつらく、歯磨きができない
- つわりの影響で食生活が変化した
また、妊娠前に歯周病の症状が気になっていた方は悪化する可能性が高くなるため、注意が必要です。
マタニティ歯科で無理のない口腔管理を
妊娠中は、妊婦さん自身のお口の中の環境を守るためだけでなく、お腹の中の赤ちゃんを守るためにも、無理のない範囲で口腔ケアを行うことが大切です。
体調がよいときにマタニティ歯科を利用しましょう
妊娠中であっても、歯医者での診療を受けることはできます。
体調がよいときを見計らって、検診やクリーニング、虫歯治療や歯周病治療などを受けましょう。
ただし、妊娠初期は、薬の服用を避けなければならない時期があったり、つわりの影響で体調が不安定になりがちです。
また、妊娠後期になってお腹が大きくなると、歯科用ユニットにあおむけで横になっているのが苦しくなる場合もあります。
くれぐれも無理をせず、体調が安定している時期に治療を受けるとよいでしょう。
妊娠中に歯科診療を受けるメリット
妊娠中にクリーニングや歯の治療を行うことで、出産後、お口のトラブルを気にせず育児に集中することができます。
また、母乳で育児をされている場合、治療で使用する薬の影響が気になる方もいらっしゃるでしょう。
妊娠中に治療を終わらせておくことで、そのような心配もなくなります。
実際には、歯科治療で使用する薬の母乳への影響は非常に小さいと考えられています。
乳歯が生えたら小児歯科を利用しましょう
出産後、お子さんが成長して乳歯が生え始めたら、定期検診を利用して虫歯予防に努めましょう。
雑色駅前おとなこども・たけお歯科では、母子で取り組む0歳からの虫歯予防に力を入れています。
虫歯になる直接的な原因は、虫歯菌の感染です。
特に、赤ちゃんと触れ合う機会が多いお母さんから感染しやすいため、お子さんの歯が生えたらお子さんだけでなくお母さんも、もちろんほかの家族の方もお口の中を清潔に保ちましょう。
また、生後19ヶ月~31ヶ月の間は、虫歯菌が感染しやすい「感染の窓」と呼ばれる時期です。
この期間は特に注意して、虫歯予防に取り組みましょう。
母子で虫歯予防に取り組むことで、お子さんの虫歯になる確率を下げることにつなげられます。
0歳から小児歯科を利用していただくことで、以下のようなメリットもあります。
- お子さんのお口の成長を見守ることができる
- フッ素塗布で虫歯に負けない強い歯を作ることができる
- お子さんの歯磨きや普段の食事で気をつけることの相談ができる
- 歯医者に慣れることで治療しやすくなる
雑色駅前おとなこども・たけお歯科は、妊婦さんや歯が生え始めた赤ちゃんと保護者の方だけでなく、どなたでも利用しやすい歯医者です。
虫歯治療や歯周病治療だけでなく、矯正治療や口腔外科など幅広く診療しており、また、お子さんのお口のすこやかな成長のために口育にも取り組んでいます。
お口のケアや症状で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
雑色駅から徒歩30秒と、通いやすいことも当院の魅力の一つです。
参照:厚生労働省|妊産婦における口腔健康管理の重要性
参照:J-STAGE|妊婦の歯周疾患と早産・低体重児出産