即日仮歯まで作れる即時荷重インプラントと骨造成・サイナスリフトについて解説

eyecatch

監修者

武田 吉裕
院長
ローズ歯科 松原天美診療所

経歴

2013年3月 福岡歯科大学 卒業
2014年3月 福岡歯科大学 医科歯科総合病院 歯科医師 臨床研修 終了(口腔インプラント学専攻)
2014年4月 大阪歯科大学大学院 入学 口腔インプラント学専攻
2018年3月 大阪歯科大学大学院 卒業 口腔インプラント学専攻
2018年4月 大阪歯科大学 口腔インプラント学講座 助教
2022年4月 武田歯科医院 勤務

資格

歯学博士(口腔インプラント学専攻)
公益社団法人日本口腔インプラント学会専修医取得(1312号)
公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医取得(1450号)
歯科医師臨床研修指導医(第30-347号)
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習(01758)
Dentsply Sirona Implants PREMIUM CLUB 2017 BRONZE MEMBER
Dentsply Sirona Implants PREMIUM CLUB 2020 GOLD MEMBER Straumanm Award 2021
京セラ インプラント臨床マイスター
日本補綴学会 会員
大阪歯科学会 会員

インプラン治療をすると、整ったよく噛める人工歯が手に入ります。
しかし、従来の方法では、人工歯根を埋入してから仮歯を取り付けるまでに、数ヶ月の期間を空けなければならないことが、少なからず患者様の負担でした。
そこで登場したのが、即時荷重インプラントです。
人工歯根を埋入する手術のときに仮歯まで作ることができるため、見た目の違和感を感じずに人工歯の取り付けまでの期間を過ごすことができます。

また、インプラント治療に欠かせないのが、顎の骨の量や厚みが十分にあることです。
中には、顎の骨の量や厚みが足りず、インプラントをあきらめる方もいらっしゃいました。
そのような場合にも、骨造成を行うことで、インプラント治療が可能になる場合がありまず。

今回は、即時荷重インプラントと骨造成の一つ・サイナスリフトについてお話しします。

「即時荷重インプラント」で見た目の違和感も負担も少ない治療が可能!

即時荷重インプラントは、実施している歯科医院がまだまだ少ないインプラント治療です。
即時荷重インプラントは、人工歯根を取り付けるときに仮歯まで装着することができるため、見た目に違和感がありません。
また、通常二回行われるインプラントの手術が一回で完了するため、身体への負担も少ない治療方法です。

通常のインプラント治療では、人工歯根が顎の骨に安定する数ヶ月の間、仮歯がない状態を過ごす必要があります。
しかし、この状態は数ヶ月~半年程度の間、歯と歯の間にすき間ができることになるため、患者様にとってストレスとなりがちです。
インプラント治療を行う場所によっては、会話したときに歯がない部分が見えてしまいます。

即時荷重インプラントのメリットは、以下のようなものがあります。

  • 歯がない状態を作らないため、見た目を維持できる
  • 手術が一回で身体への負担が少ない
  • 手術当日から軽食を取ることが可能
  • 歯並びやかみ合わせの変化がない

メリットの多い即時荷重インプラントですが、すべての方に実施できるわけではありません

以下の条件を満たすことが必要です。

  • 顎の骨の量や厚みが十分にあること
  • 十分な埋入トルクが得られること

また、即時荷重インプラントの成功のために、以下のような適用条件が考えられています。

  • 人工歯根の長さは最低10mm以上のものを使用すること
  • 初期固定がしっかりと行えること

即時荷重インプラントは、メリットだけでなくデメリットも伴います。
治療を行った場合には、以下の点に気をつけることが必要です。

  • 食事制限がある
  • 仮歯が破損する可能性がある
  • 人工歯根が顎の骨の中で安定するまで、ぐらつきや抜けに注意が必要

仮歯を入れても、人工歯根が顎の骨に安定するまでは、食事に注意が必要です。
硬いものや粘度の高いものは、人工歯根に余計な力がかかるため、少なくとも1ヶ月は避けることが望ましいでしょう。
仮歯はやわらかく衝撃に弱いため、硬いものを噛んだりすると、破損する恐れがあります。
破損した場合には修復することが可能ですが、その分通院回数が増えてしまうため、仮歯の扱いには気をつける必要があります。

取り扱っている歯科医院が少ない即時荷重インプラントですが、事前に綿密な検査とシミュレーションを行うことで、通常のインプラントと変わらない耐久性を維持することが可能です。
身体への負担を軽減するためにも、検討してみる価値はあるでしょう。

上顎の奥歯の骨量が足りない方にはサイナスリフトでインプラントが可能に!

インプラントはすべての歯に適用できますが、上顎の奥歯は治療が難しい場所の一つです。
上顎の奥歯は、以下の理由から治療が難しくなります。

  • 顎の骨が薄くてやわらかい
  • 顎の骨の上側に上顎洞が存在する。

上顎洞とは、目の下から奥歯の上の方まで広がる大きな空洞です。

上顎の骨は、海綿骨といって、スポンジ状の構造です。
密度が粗いために、埋入したインプラントを支えるには厚みが必要になります。
上顎の骨量が不足している場合には「サイナスリフト」を行います。
サイナスリフトとは、インプラントを埋入する部分の上顎を削ってくり抜き、できた空間を骨補填材で充たすことで、人工的に骨量を増やす方法です。

サイナスリフトを行うことで、インプラントを埋入するのに必要な骨の厚みを作り出すことができるため、安定しやすい長いインプラントの使用が可能になります。
手術は目視で行うことができるため、安全性が高く、多くの実績もある治療法です。

上顎の奥歯の骨量が不足している場合には、サイナスリフトを行うことでインプラントが可能になります。
しかし、患者様には結果的にサイナスリフトとインプラントの手術をそれぞれ受けていただくことになり、身体の負担が大きくなることがデメリットです。

まとめ

今回は、インプラント埋入時に仮歯まで取り付けられる即時荷重インプラントと、上顎の骨量を増やすサイナスリフトをご紹介しました。

即時荷重インプラントの特徴

  • 通常のインプラントよりも手術回数が少ない
  • 身体への負担が少なく安定性の高いインプラントが可能
  • 見た目を維持できる

サイナスリフトの特徴

  • 上顎の奥歯の骨量が不足している場合に、上顎洞の空間を利用して人工的に骨量を増やす
  • 安定したインプラント治療が可能になるが、手術が必要

従来インプラント治療が難しいといわれていたケースでも、対応できる場合が増えています。
また、なるべく身体に負担をかけないインプラント治療も日々研究されています。
歯を失った場合には、インプラントも一つの方法として検討してみると良いでしょう。

松原市のインプラント治療はローズ歯科にご相談ください

松原市でインプラント治療をご検討されている方は、ローズ歯科 松原天美診療所にご相談ください。

当院では日本口腔インプラント学会 口腔インプラント専門医が在籍しています。
骨量が少ない場合のインプラントや、患者様の身体に負担が少ないインプラントも対応しております。
当院では、国産のインプラントメーカーを使用しております。また、施術したインプラントには五年補償もついており、セラミック部分が破損した場合も、安心して使用していただくことが可能です。(当院で使用する人工骨は国内でインプラント適用が認められた骨補填材料です)

参照:J-STAGE |昭和歯学会雑誌|即時荷重インプラント
参照:J-STAGE |日本口腔インプラント学会誌|即時荷重インプラントに関する臨床的検討
参照:J-STAGE |顎咬合誌|上顎骨,下顎骨は構造が違う!

ローズ歯科 松原天美診療所HPはこちら