生活習慣による顎の歪みに要注意!フルマウスの治療で顎関節症を改善

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監修者

笹村 祐杜
院長
SASAMURA DENTAL CLINIC

お口を開けるときに音がしたり、痛みや違和感を感じたりすることはないでしょうか。
頻繁にそのような症状がみられる場合は、顎関節症を疑いましょう。

顎関節症は、顎の関節と顎の筋肉「咀嚼(そしゃく)筋」の病気で、女性に多くみられる病気です。
一般的な顎関節症の治療は、マウスピースの装着咬筋マッサージ生活指導などです。
当院では、顎関節症を根本から解決するために、フルマウス治療によってお口の歪みを整える治療をご案内しています。

今回は、顎関節症の改善に、なぜ矯正治療が効果的なのかをご説明します。

顎関節症はフルマウス治療で歪みを整えることで改善できる!

フルマウス治療をご存じでしょうか。
フルマウス治療とは、お口の中全体のかみ合わせを整えることで、「咬合再構成」ともいいます。
お口全体のかみ合わせを整えることでお口全体のバランスが整い、よく噛めるようになるだけでなく、お顔の歪みや全身の歪みの改善につながります。
顎関節治療も、フルマウス治療を行うことで回復へとつながる可能性があるのです。

フルマウス治療を行う上で、顎の位置を的確に設定することはとても重要です。
矯正治療によってかみ合わせの改善を図ると、多少なりとも顎の位置の変化が起こります。
もし、無症状(軽度)の顎関節症をお持ちの患者様に顎関節症の診断を行わないまま矯正治療を施してしまうと、顎の位置が変化することによって、後々症状が悪化する場合もあるのです。

反対に、患者様のお口に適した詰め物や被せ物、入れ歯やインプラントといった補綴物をお口全体のバランスをみながらセットすることで、顎への負担が緩和されて症状が改善する場合もあります。

かみ合わせのバランスは、ごくわずかな傾斜や高さのズレで崩れてしまいます。
ズレを整えることは、関節や筋肉のスムーズな動きのために、とても重要です。

顎関節症の原因は生活習慣?

顎関節症は、近年、特に女性に多くみられる病気です。
ここ数年、顎関節に違和感や痛みを感じられて受診される方が増えています。
なぜ、顎関節症になる方が増えているのでしょうか。

顎関節症のおもな原因

顎関節症の原因は、複合的な要因がからむためにはっきりとされていませんが、以下のようなことが原因と考えられています。

  • 骨格の変化
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 歯の接触癖
  • 唇を噛む癖
  • 舌で前歯を押す癖
  • 生活習慣
  • ストレス

昔と比べて、現代は硬いものを食べること自体が少なくなり、その結果、顎自体も小さくなっています。
顎の発育が不十分だと、歯が並ぶスペースが確保できないために、歯並びやかみ合わせに悪影響を与えやすくなるのです。
歯並びやかみ合わせが悪いことで、顎関節にかかる負担も大きくなりやすいのです。

歯は、一般的に一日のうちで接触しているのは食事や会話をするときのみで、普段お口を閉じている状態では、上下の歯が接触していないのが正常です。
歯が接触することで、少なからず圧力がかかり、顎に負担がかかってしまいます。
無意識のうちに歯を接触させているだけでも、少しずつ顎に負担をかけているのです。

顎だけでなく歯や歯ぐきに大きな圧力をかけてしまう、歯ぎしりや食いしばりも同様です。

生活習慣が顎関節症を誘発する?

顎関節症を誘発する生活習慣には、以下のようなものがあげられます。

  • 片方の歯ばかりで噛む
  • 頬杖
  • 猫背
  • 寝るときの姿勢
  • 長時間のデスクワーク
  • 運動不足

特に注目したいのが、寝るときの姿勢です。
例えば、夜に右を向いて寝る習慣がある人は、顔面の右側に力がかかります。
そうすると、下顎骨は左側へと変位するのです。

変位はやがて、三段階の症状を呈します。
最初の症状は、毎日同じ側を下にして寝ることで、変位した方の顎関節が強く圧迫されて炎症を起こし、痛み始めることです。
骨と骨との連結部には、関節円板という、関節同士の動きをスムーズにし、同時にクッションの役割をする部分があります。
関節円板は圧迫によって薄くなります。
薄くなった関節円板が、圧迫から元に戻ろうとするときに音が鳴りますが、これが二つ目の症状です。
やがて、顎関節症が進行すると、三つ目の症状として、音は鳴らなくなります

音が鳴らなくなることで治ったと思いやすいため、患者様の方から申告されることがなくなります。
しかし、実際は顎関節症が良くなったわけではありません。
このことに気づかずフルマウス治療を行ってしまうと、顎関節症を見逃したまま治療を進めてしまいます。
隠れている顎関節症を見逃さず治療を行うためには、日ごろから患者様の姿勢や顎位、歯列不正に気を配り、患者様の生活習慣とどのように関係しているかを見極める必要があるのです。

まとめ

歯は、ごくわずかな弱い力でも継続させることで動かすことが可能です。
顎関節症の発症の原因も、日々の軽微な圧力の積み重ねといえます。
顎関節症をフルマウス治療で治すには、患者様の姿勢や歯列から、日常の癖を読み取ることが必要です。

また、顎に異常を感じたら、日常生活の癖や習慣を見直してみましょう。
歪みの原因を根本から改善することで、症状の悪化を防ぐことができます。

フルマウス治療による顎関節症の改善はSASAMURA DENTAL CLINICにご相談を!

弘前市の【SASAMURA DENTAL CLINIC】では、フルマウス治療によって、顎関節症の改善を行うことが可能です。
当院では、患者様の全身のバランスから顎位を模索することで、顎関節症をはじめとする長期的な治療へとつなぎます。
顎関節症の症状を見極め、さらに治療が必要な場合には、特殊なスプリント(顎関節症の治療用のマウスピース)を製作したり、矯正治療を行います。
顎関節症でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

参考:厚生労働省|e-ヘルスネット|顎関節症
参照:J-STAGE|昭和歯学会雑誌|アゴが痛い,口が大きく開かないのは生活習慣病⁉
参考:咬合療法研究会
参考:包括歯科臨床 Ⅱ

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