インプラント周囲炎や術後のトラブルはリカバリーで対応!対応できる症例は?

監修者

池田 勇登
院長
池田歯科医院

経歴

2016年3月 大阪歯科大学卒業
2017年4月 大阪歯科大学附属病院口腔インプラント科研修
2018年4月 開業医勤務
2020年4月 大阪歯科大学附属病院口腔インプラント科入局
2024年3月 大阪歯科大学附属病院口腔インプラント科退職(現在、非常勤)

資格

日本口腔インプラント学会 
日本補綴歯科学会
歯科医師臨床研修指導歯科医

インプラントを長く使用するためには、丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスが必要です。

インプラント脱落の原因の一つに、インプラントの歯周病「インプラント周囲炎」があげられます。

そのほかにも、インプラント治療時の失敗などにより、そのままだとインプラントを継続できなくなる場合もあります。

インプラントのトラブルは、リカバリー(再治療)を行い症状を改善することで、インプラントを継続することが可能です。

今回は、インプラントのリカバリーが必要な症状やインプラントを継続できる症例についてお話しします。

早期のリカバリーでインプラントを継続できる!

インプラントを行った部分にトラブルが起きてしまった場合、放っておいてよくなることは基本的にありません。

トラブルを放置して悪化させてしまうと、インプラントを支えている歯ぐきや顎の骨に悪影響をおよぼし、最悪の場合はせっかく治療したインプラントを顎の骨から取り除なければならない恐れがあります

そのため、なるべく早期に治療にとりかかり、症状を改善することが必要です。

インプラントのリカバリーが必要な症状とは

インプラントのリカバリーが必要な症状は、歯ぐきの炎症やインプラントのグラつきなどによって発見されます。

リカバリーの対象となるおもな症状は、以下のとおりです。

  • インプラント周囲炎

  • インプラント手術の失敗

  • かみ合わせの悪化

それぞれの症状について、詳しくみていきましょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病です。

歯周病菌がインプラントを支えている周辺の歯ぐきを侵すことで歯ぐきに炎症が起こり、炎症が進行することでやがて顎の骨まで溶かしてしまいます。

インプラント周囲炎は、前段階であるインプラント周囲粘膜炎インプラント周囲炎にわけられます。

インプラント周囲粘膜炎とは、インプラントの周りの歯ぐきに炎症が起こっている場合をさし、歯ぐきの腫れや出血がおもな症状です。

インプラント周囲粘膜炎が進行するとインプラント周囲炎となり、炎症が顎の骨にまでおよび、次第に骨を溶かしていきます。

インプラント周囲炎は、歯周病と比べると進行が早いのが特徴です。

インプラント周囲炎を治療するには、歯周病と同様に、インプラント周辺に蓄積した歯垢や歯石を徹底的に取り除き、歯周病菌の数を減らします。

しかし、歯周病菌によって溶かされた歯ぐきや顎の骨は、元に戻すことが困難です。

インプラント周囲炎の治療を行っても、インプラントを継続することが難しい場合もあります。

インプラント治療の失敗

インプラント治療の失敗は、インプラント治療前の検査が不十分であることや、インプラントを埋入する位置が的確でなかったことが原因です。

インプラント治療を成功させるためには、歯科用CTによる精密な検査を行い、それに基づいてシミュレーションを実施して治療に臨みます。

顎の骨の量や厚み、インプラントを埋入する位置などをしっかりと把握することで、インプラント治療を成功に導くことができます。

インプラント治療の失敗を防ぐためには、事前検査やカウンセリングを丁寧に行ってくれる歯科医院を選びましょう。

かみ合わせの悪化

インプラント治療を行った際にかみ合わせを十分に確認していなかったり、その後に歯を失ったりした場合に、かみ合わせが悪化することがあります。

かみ合わせが悪化してうまく噛めない場合は、歯科医院で調整してもらうことで改善が図れます。

調整せずに放置していると、顎の骨に負担がかかり、顎関節症や痛みを生じる原因になるため、違和感を感じたら早めに相談しましょう。

リカバリーでインプラントを継続できる症例

軽度のインプラント周囲炎の治療やインプラントのネジの締め直し人工歯部分の調整は、インプラントを装着したまま治療を行うことができ、インプラントを継続できます。

重度のインプラント周囲炎インプラントの破折神経麻痺インプラントの体内への迷入金属アレルギーなどが起きている場合には、一度インプラントを抜いて、それから継続できるかどうかを判断します。

重度のインプラント周囲炎になった場合には、そのまま継続しているとお口の中のトラブルにつながる可能性も否定できません。

しっかりと検査を行い、判断することが重要です。

また、以下のような場合には、インプラントの継続が難しい場合があります。

  • 顎の骨の量や厚みが不足している

  • 喫煙している

  • 高血圧や糖尿病などの持病がある

まとめ

インプラントにトラブルが起きた場合に、リカバリーによって改善できるのは以下のような症状です。

  • 軽度のインプラント周囲炎

  • 人工歯部分のかみ合わせの調整

  • インプラントのグラつき

いずれも、定期的なメンテナンスによって早期発見・早期治療ができるため、インプラント治療後は忘れずにメンテナンスを受けましょう。

また、重度のインプラント周囲炎や顎の骨の不足がみられる場合には、インプラントの継続を考える必要があります。

精密な検査を実施して、インプラントを継続できるか判断します。

検査結果が不安な場合には、セカンドオピニオンを利用しましょう。

インプラントのリカバリーは池田歯科医院にご相談ください

丹波市氷上町の池田歯科医院の院長は、大阪歯科大学付属病院で口腔インプラント科に所属し、これまで多くのインプラント治療に取り組んできました。

また、日本口腔インプラント学会に所属しています。

さまざまなインプラントの症例の経験から、患者様に満足いただけるインプラント治療を提供し、またインプラントのリカバリーにも対応しています。

インプラント治療を行ったけれど違和感がある」「インプラント後に歯ぐきが腫れている」などの症状がみられましたら、お気軽にご連絡ください。

患者様の悩みに寄り添った診療を心がけています。

参考:J-STAGE|日本歯周病学会会誌|歯周炎患者におけるインプラント周囲炎の病態と治療法

参考:J-STAGE|日本口腔インプラント学会誌|医療事故から学ぶインプラント治療に必要な解剖学

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