歯周病予防には診査・診断が重要!診断からメンテンナンスまで解説

eyecatch

監修者

山之内 文彦
院長
やまのうち歯科医院

経歴

平成9年 日本大学松戸歯学部 卒業
平成10年 日本大学松戸歯学部 研修医終了
平成11年 日本大学松戸歯学部 歯周病科
平成19年 日本大学松戸歯学部 歯周病科非常勤講師
平成19年 栃木県、神奈川県の歯科医院にて勤務
平成25年 やまのうち歯科医院を開院

資格

博士号(歯学)取得
日本歯周病学会 指導医
日本障害者歯科学会 認定医

歯周病とは、歯ぐきや顎の骨が症状の進行とともに炎症によって溶かされていく病気です。
炎症によって溶けた歯ぐきや顎の骨は歯を支えられなくなってしまい、やがて歯が抜けてしまいます。
歯周病は、初期には自覚症状がほとんどないため、気づいたときには症状が進行していることが多い病気です。
歯周病の初期症状である歯肉炎で発見できれば、症状を改善できる可能性はかなり高くなります。
歯周病の予防や進行を抑えるには、歯周病の適切な診査・診断を行い、必要な治療に取り組むことが大切です。
今回は、歯周病の診査・診断の重要性についてお伝えします。

歯周病は現状把握が大切

歯周病は、歯周病菌に反応した免疫細胞が炎症を引き起こすことにより、歯ぐきや歯を支えている歯槽骨が溶けてしまう病気です。
国民病の一つといえるほど多くの方が歯周病になりますが、自覚症状がないままに進行してしまうのが問題です。
歯周病のステージは、以下の4段階にわけられます。

・歯肉炎(ごく初期の歯周病)
歯ぐきの腫れや出血がみられます。

・軽度歯周病
歯ぐきの腫れや出血に加えて、歯周ボケットが深くなり始めるのも特徴です。
軽度歯周病の歯周ポケットの目安の深さは4~5mm程度です。

・中程度歯周病
歯ぐきの炎症だけでなく、歯槽骨にまで炎症がおよびます。
歯がぐらつき始め、口臭も気になり始めるころです。
歯周ポケットの目安の深さは6~7mm程度になり、歯のグラつきもみられます。

・重度歯周病
歯ぐきや歯槽骨が炎症から起こる吸収で痩せてしまい、歯が抜け落ちることもあります。
歯周ポケットの目安は7mm以上の深さです。
治療するには外科的手術が必要な場合もあります。

歯周病治療には、まずは診査・診断が重要です。
現状をしっかりと把握することで、歯周病の適切な治療を受けられます。
歯医者での定期検診などを利用して、歯周病の状態のチェックを受けましょう。

歯周病の診査・診断のために、一般的に以下のような検査を行います。

・プロービング検査

プローブという金属製の器具を歯周ポケットにあてて、歯周ポケットの深さを測る検査です。
健康な歯ぐきでは、プローブは1~3mm程度しか入りませんが、歯周病が進行するにつれてプローブの入る深さは深くなります。プロービング後の出血や排膿の有無で炎症の活動性を検査します。

・X線検査

歯を支えている歯槽骨の状態を調べるために、レントゲン撮影をします。
歯周病が進行するほど、歯槽骨が溶けて吸収されている様子を確認することができるのです。

・プラーク付着率の検査

歯の表面に染色液を塗り、染め出すことによってプラークの付着率を調べます。
プラークの付着が多いほど、歯に赤く染めだされた部分が多く残ります。

そのほかの歯周病の検査は、歯ぐきからの出血を調べたり、歯の揺れの程度を調べる検査、病原菌について調べる検査などです。

メンテナンスで歯周病を予防

歯周病を予防するには、ご自宅での毎日のケアと、歯科医院で行う定期的なメンテナンスが重要です。

歯科医院でのメンテナンスには、PMTCという治療を行う場合があります。

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯周病の基本的なケアの1つの方法で、歯科医院で行う歯のクリーニングです。
まず、歯についているプラークなどをきれいに取り除きます。
歯の表面に付着しているプラークなどを取り除いたら、歯周ポケットの中にあるプラークなどを除去します。
プラークなどをしっかりと取り除くことで、口腔内の細菌の数を減らすことができ、歯周病の進行を抑えることにつながるのです。
歯の表面を磨いて、プラークなど細菌の除去を行い、さらに着色汚れも落とすことができます。

 

まとめ

歯周病を予防し、進行した場合に改善を図るために、歯周病の現状をしっかりと把握することはとても大切です。
定期的に歯科医院での検診を受けて、歯周病の進行を防ぎましょう。
歯周病は、進行すると細菌が全身へとめぐり、心疾患や脳疾患をはじめとする全身の病気の原因にもなります。
歯周病の進行を抑えることで、身体全体の健康を維持することにつながるのです。

 

歯周病予防はやまのうち歯科医院へ

やまのうち歯科医院は、歯周病予防に力を入れた歯科医院です。
当院の歯周病診断には、歯科用CT口腔内カメラを使用しています。
歯科用CTは口腔内の状態を精密に知ることができる機器で、歯科用CTを使用することで顎の骨の状態まで立体的に把握することが可能です。
歯周病治療だけでなく、インプラント治療や根管治療など、精度が肝心な治療では欠かせない設備です。
口腔内カメラは、口腔内の状態を映し出すカメラのことで、現状を理解するのに役立ちます。
カメラで口腔内を撮影して、モニターをつないでみることが可能です。
当院では、患者さんに現状を把握していただき、治療をわかりやすくするために役立てています。

歯科用CTや口腔内カメラを使用することで、歯周組織の状態を詳細に把握し、見えない部分までしっかりと確認して治療することができるのです。
歯周病が気になる方は、ぜひ当院にご相談ください。

参照:厚生労働省|e-ヘルスネット|歯周ポケット
参照:厚生労働省|e-ヘルスネット|歯周病の検査

やまのうち歯科医院HPはこちら