セラミックの魅力は見た目だけじゃない!歯周病予防に効果はある?

eyecatch

監修者

三上 慶
院長
デンタルオフィスK

経歴

1985年1月6日
新潟県上越市に生まれる
2010年3月
岩手医科大学歯学部 卒業
2010年4月
夏堀デンタルクリニック勤務
2021年7月
デンタルオフィスK開院

虫歯や歯周病などで失われた歯の機能を補うために、詰め物や被せ物で使用されているセラミック。

天然の歯のような自然な白さと透明感が再現できる点で、多くの患者様からも選択されていますが、その魅力は見た目の美しさだけではありません。

セラミックは機能的にもさまざまな優れた特長がありますが、歯周病予防にも効果はあるのでしょうか?

この記事では、セラミックの特長とその予防効果について詳しくご紹介します。

セラミックとはどんなもの?

セラミックは詰め物や被せ物に使用されていますが、ひとことで「セラミック」と言っても、高い強度を持ったジルコニア、100%セラミックでできたオールセラミック、内部が金属で外側がセラミックのメタルボンドなど、数種類のものが用途に合わせて使われています。

見た目の美しさ以外のセラミックのメリットには、以下のものが挙げられます。

・耐久性がある

保険診療の金属や歯科用プラスチックを使用した被せ物と比べると、劣化しにくい素材のため耐久性があります。

・汚れが付きにくい

虫歯や歯周病などの原因となる細菌のかたまり「プラーク」などの、汚れが付きにくい性質を持つので衛生的です。

・金属アレルギーが起きない

セラミック100%のオールセラミックの被せ物であれば、金属は使用しないため金属アレルギーの方でも安心して使えます。

・精度が高い

精度が高く作られるためぴったりフィットして隙間が生じにくいです。

このように、セラミックは「劣化しにくく汚れが付きにくい」という特長を持つことから、虫歯の再発リスクが低い治療法といわれています。

反対にデメリットとしては、自由診療となるため治療費が高いことや、お皿などと同じ陶器素材のため、強い力が加わると欠けたり割れたりするリスクがあることが挙げられます。

歯周病とはどんな病気?

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」に細菌が侵入して、歯を支える組織に炎症を起こす病気です。

症状の初期段階では炎症が歯ぐきにのみ起きる「歯肉炎」ですが、進行していくにつれて歯周ポケットは深くなり、さらにポケットの奥に入り込んだ細菌の影響で歯を支える骨が溶かされていきます。

支えを失い不安定になった歯はグラつくようになり、やがて抜け落ちてしまうのです。

初期段階の歯肉炎であれば、しっかり歯磨きをしてプラークを取り除くことで症状が改善することもありますが、骨が溶けて歯がグラグラになるまで症状が進行してしまうと元の状態に戻すことは難しくなるでしょう。 

さらに、歯周病は歯だけの問題ではなく、心血管系の疾患や糖尿病、低体重出産のリスクが高まることなど、全身の健康に影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになっています。

歯が抜け落ちたり、全身へも影響を及ぼしたりする恐ろしい歯周病ですが、令和4年の歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットのある歯(歯周病)を持つ人の割合は全体の47.9%を占めるという調査結果がでています。

このことからも分かるように歯周病にかかっている人は多く、わたしたちの身近な病気です。参考:「令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を公表します|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

セラミックに歯周病の予防効果はある??

審美性の高さや虫歯の再発リスクが低いという魅力があるセラミックですが、歯周病を予防する効果はあるのでしょうか?

結論から言えば、セラミックの持つプラークなどの汚れが付きにくいという性質によって、被せ物周辺の磨き残しが減り、歯周ポケット内にプラークが入り込みにくくなるという点に注目すれば「銀歯やプラスチックに比較して歯周病予防に多少の効果が期待できる」といえるでしょう。

ただ、先述したように歯周病は歯周ポケットに入り込んだ細菌が原因となり歯を支える組織が炎症を起こす病気です。

歯にセラミックで詰め物や被せ物をする治療だけでは防ぐことができません。

歯周病を予防するにはセラミックに頼るのではなく、ご自宅での磨き残しのないセルフケアや歯科医院での歯石除去をしっかり行うことが大切です。

また、歯ぐきの状態が良好でなければセラミック治療後の予後に影響を与えかねないため、重度の歯周病の場合は、セラミック治療前に歯周病を治療していく必要があります。

まとめ

セラミック治療は、その見た目の美しさと虫歯の再発リスクの低さから多くの患者様に選ばれています。
しかし、歯周病の予防効果については、セラミックの持つ特性が一定の効果をもたらすものの、セラミック治療だけでは防ぐことはできません。

歯周病の予防には、セラミック治療と並行して、適切なセルフケアと定期的な歯科医院でのケアが必要なのです。

セラミック治療を希望される患者様は、まずは歯科医師と相談し、歯周病の状態を正確に診断してもらうことが重要です。

歯周病予防、セラミック治療を検討されている方はデンタルオフィスK へご相談ください

デンタルオフィスKでは、症状のある部位のみだけでなく、口の中全体の様々な要因を含めて診断することを方針としております。

これは、その部位のみの治療では一時的な快適さしか得られず、再治療が必要となったり、他の部位にも影響が出たりして結果的に通院回数が増えてしまう可能性があるためです。

また、患者様に安心して治療に臨んでいただけるように、セラミック治療などの保険外治療は、施術予定日の来院前にお見積もり、術式説明をしっかり行っています。

予防管理を徹底しつつ、それぞれの患者様のお口の状況、ライフステージ、ライフスタイルにあった適切かつ予知性の高い治療、ストレスの少ない通い方を提案しますので、歯周病、セラミック治療を検討中の方は、ぜひ当院へご相談ください!

デンタルオフィスKのHPはこちら