根管治療はどのような歯に必要なのか?
根管治療が必要な歯は以下の通りです。
①虫歯が神経まで達しているような歯
②根管治療をすでに行っており、根の先に膿が出来ている歯
③被せ物などの設計上、便宜的に神経を取らなくてはならない歯
④歯周病が原因で根っこの先が、菌により神経にまで感染してしまっている歯
⑤外傷(歯をぶつけたり、打撲したりした場合)などで歯の神経が死んでしまっている歯
⑥知覚過敏などで過度な痛みがある歯
他にも稀なケースなどもありますが、一般的にはこのような歯に対して根管治療が必要と判断される場合が多くあります。
さらに、根管治療は処置の内容を 2 つのパターンで分けることができます。
根管治療の種類
①抜髄
これは神経が生きている歯(生活歯)に対して歯の神経のみを取る処置です。
上の図のように虫歯が神経に達しており、根の先端に膿を作っていない場合に行う処置になります。抜髄の場合は、基本的に 2、3 回の処置で根管治療が終了する場合が多く、再感染しないように精密な処置を行えば、約 90%以上の成功率が認められます。
②感染根管治療
先ほどの抜髄との大きな差は神経が死んでしまっている歯(失活歯)に対して行う処置というところです。処置の内容としては死んでしまっている神経と根の先の膿を取ることが必要になります。
上の図のように根の先に膿が出来てしまっているような状態です。こちらの処置に関しては個人差があり、根の先から膿が出ていないことや歯茎が腫れていないこと、痛みが無いことなど診断基準が様々なため、回数は何回で確実に終わるということが断言できません。また成功率に関しても、精密な処置を行っても約 70%と抜髄に比べると成功率が低下致します。
では、この根管治療を精密に行うとはどういうことなのでしょうか。
根管治療を成功させるためのアイテム
①ラバーダム防湿
このようなゴムのマスクを見たことはありますか?これはラバーダムと言い、お口の中の唾液を根の中に入れないようにするための道具になります。唾液の中にはウイルスや菌が常に存在しています。その唾液が入るような状態で根管治療を行っても失敗する可能性が高く、再感染のリスクが高まります。 当院では、根管治療の失敗や再感染リスクを低下させるためにラバーダム防湿を行います。
②ZOO
こちらは ZOO と言い、先ほどのラバーダム防湿と同じように唾液が入らないようにする機器になります。当院では根管治療だけでなく、小さい虫歯の治療の場合にもラバーダム防湿あるいは ZOO を私用するようにしています。
③マイクロスコープ
マイクロスコープでは 4~20 倍程度の視野の拡大が可能です。視野を拡大することで、肉眼では見つけられなかった根や根の亀裂、根の汚れなども除去することができ、より精密な根管治療が可能となります。レアリゼ歯科クリニックでは Leica 社製の M320D-4K というモデルを使用しています。
④CT
CTは従来のレントゲンと違い、3次元的に歯を見ることで、歯の亀裂や膿の大きさなどが判断できます。また、CT に関しましては一定の基準を満たしていれば、保険でも撮影することが可能です。レアリゼ歯科クリニックの CT はモリタ社の Veraview X800 という高解像度、低被ばくの CT を取り入れております。
⑤MTA(Mineral Trioxide Aggregate)
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントとは、1998 年にアメリカで販売され、日本では 2007 年に販売を開始した歯科用セメントです。海外では一般的に根管充填(歯の根っこにお薬を詰める)時に使用されている製品です。しかし、一部処置を除いては日本の保険制度で使用の認可が下りていないため、自費治療時のみ使用します。
【MTA セメントの特徴】
①封鎖性が高い
②人体に馴染みやすい(生体親和性が高い)
③細菌を寄せ付けない(殺菌作用)
保険で用いられる根管充填材には薬理作用はなく、 MTA セメントの使用は上記の薬理効果や作用によって再発リスクを大幅に低下させる要因になります。
再発率が低い根管治療とは?
①無菌的であること
根の中や根の先に菌が残っていると再発リスクが高まります。そのため、ラバーダムや ZOO など唾液の侵入を防ぐ道具を使う必要があります。
②根の管がしっかり清掃されていること
歯は人間の体の一部ですのでそれぞれ個人差があります。特に上の奥歯の場合は根の管が 3 本の方や 4 本の方など様々です。もちろん、その管を見逃していたり、清掃が十分に出来ていなかったりすると再発は免れません。そのため、マイクロスコープを用いて根を直接確認する必要があります。また、マイクロスコープでも確認出来ない場合は CT を用いて 3 次元的に根の管を探す必要が出てきます。
③根の先までお薬がしっかり入っている事
先ほど②で説明した根の管に最終的なお薬がしっかり入っており、隙間がない事が必要です。根の管は複雑な形をしており、根の先端が必ずしもレントゲン上の根の先端と一致するとは限りませんが、基本的には根の先までお薬がしっかり入っている事が重要です。
まとめ
根管治療で大切なことは唾液の侵入が無いこと・根管内を出来る限り無菌化することの 2 つです。現在、根管治療で歯医者さんにかかっている場合は積極的にラバーダムや顕微鏡といった機械を使用してもらいましょう!
精密根管治療はオーサムデンタルクリニックへご相談ください!
練馬区のレアリゼ歯科クリニックは、CT・マイクロスコープを用いた『精密歯科治療』を提供している歯科医院です。『丁寧な説明・質の高い医療を提供』するとともに、『歯科疾患の予防』にも力を入れています。根管治療でお困りの方はレアリゼ歯科クリニックにお気軽にご相談ください。