予防歯科って何をする?予防歯科を受ける目的とメリットを解説

監修者

梅田 有輝 
副院長
うめだ歯科医院

経歴

2015年3月
日本大学歯学部卒業
2015年4月
日本大学歯学部付属歯科病院 研修医として勤務
2016年4月
千葉県 スギタ歯科医院 勤務
2019年7月~2022年2月
スギタ歯科医院 副院長として勤務
2021年3月~2022年1月
LeaLea歯科矯正歯科クリニック非常勤勤務
2022年4月
梅田歯科医院 副院長就任

「予防歯科」という診療科目を聞いたことがある方は多いでしょう。日本でも予防歯科に力を入れている歯科医院が増えてきました。

「なんとなく予防歯科の必要性は理解できるけど、具体的にどんな目的でどんな治療をするのか分からない」

という方は少なくありません。

今回は、予防歯科ではどんな治療を行うのか、予防歯科を受ける目的とメリットについて解説しています。予防歯科に興味がある方はぜひご参考にしてください。

予防歯科って何?

予防歯科とは、虫歯や歯周病になる前に予防することです。また、虫歯治療や歯周病治療を受けた後に再度虫歯や歯周病にならないよう予防することでもあります。

歯の先進国であるスウェーデンでも昔は多くの国民が虫歯や歯周病に罹患していました。予防歯科を導入することで国民のお口に対する意識が高まり、年を重ねても多くの歯を残せるようになっています。

近年、日本でも予防歯科に力を入れている歯科医院が増えてきました。お口の健康を維持するためにも虫歯や歯周病などに罹らないよう予防することが大切です。

予防歯科ってどんなことをする?

予防歯科は1回治療を受けるだけではなく、継続することで効果が期待できます。歯科医院によって治療内容は多少異なりますが、多くの場合以下の4つの処置を行います。

・口腔内検査

・ブラッシング指導

・専門的なクリーニング

・フッ素塗布

それぞれの処置について詳しく解説します。

口腔内検査

お口の中全体を検査します。目視できない骨の状態などはレントゲン撮影を行ってチェックします。歯周組織の検査も行い、歯茎の炎症具合や出血の有無、歯の動揺度などを確認して歯周病の進行具合を診断します。

虫歯や歯周病だけでなく、噛み合わせや顎関節などもチェックします。

ブラッシング指導

磨き残しがある部位や、虫歯・歯周病リスクが高い部位の歯磨きの仕方を指導します。お口の状態は一人ひとり異なるため、その患者さまに適したブラッシング方法や歯ブラシの種類などをお伝えします。

正しい歯磨きができるようになることで、虫歯や歯周病の予防効果がより高まるため、ブラッシング指導も重要な治療の1つです。

専門的なクリーニング

歯磨きでは除去できない細かな汚れ、歯石などを機械を使用してきれいにします。超音波スケーラーを使用した歯石除去のほかに、PMTCとよばれるプロによる専門的なクリーニングがあります。

PMTCとは(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略で、専用の機械と特殊なペーストを使用して歯垢だけではなく、通常の歯ブラシでは取れない汚れ(バイオフィルム)も除去します。このバイオフィルムはお口の中に沢山いる細菌の膜になります。排水溝のヌメリを想像するとイメージしやすいと思います。このバイオフィルムを除去することで、歯の表面がツルツルになり汚れが付着しにくくなるので、虫歯と歯周病の予防につながります。

フッ素塗布

フッ素には以下の3つの虫歯予防効果が期待できます。

・再石灰化の促進

・歯質の強化

・虫歯菌の働きの抑制

フッ素塗布は「子どもの虫歯予防に行う」と思われる方も多くいらっしゃいますが、子どもだけでなく大人にも効果があります。

大人の場合は、加齢や歯周病、ブラッシング圧などが原因で歯茎が退縮し、歯の根元が露出しやすくなります。この根元部分は柔らかく虫歯になりやすいのです。歯の根元部分の虫歯を「根面カリエス」といいます。フッ素塗布は根面カリエスの予防にも効果的です。

予防歯科を受ける目的

予防歯科を受ける目的は、虫歯や歯周病などを予防し、健康なお口の状態を維持することです。

虫歯治療で一度削った歯は元に戻せません。また、一度治療した歯は再度虫歯になるリスクが高まります。虫歯だけでなく歯周病も進行すればするほど大掛かりな治療が必要になり、患者さまの負担が増えることになります。

お口のトラブルを未然に予防し、お口の健康を守ることが大切です。

予防歯科を受けるメリット

予防歯科を受けることで得られる主なメリットは以下の4つです。

・虫歯や歯周病を予防できる

・お口の健康を維持しやすい

・治療が必要な際も負担が少ない

・全身の健康にも影響する

それぞれのメリットを詳しく解説します。

虫歯や歯周病を予防できる

予防歯科を受けていると、虫歯や歯周病になる前に予防できます。

虫歯や歯周病にならないよう、歯科医院では専門的なクリーニング、一人ひとりの患者さまに適したブラッシング方法の指導、必要に応じたフッ素塗布を行います。

継続して予防歯科の治療を受けることで、虫歯や歯周病になりにくいお口の環境を整えられるでしょう。

お口の健康を維持しやすい

日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病、2位は虫歯といわれています。【1】

この歯周病や虫歯を予防することで、将来1本でも多くの歯を残せるようになるでしょう。より多くの歯を残せることでよく噛んで食事を楽しむことができます。

また、虫歯や歯周病だけでなく、その他のトラブルも定期的に予防歯科を受診することで、未然に予防できる可能性が高まります。

治療が必要な際も負担が少ない

万が一虫歯や歯周病になった場合も、予防歯科を受診していることで早期発見・早期治療が可能です。初期の虫歯や歯周病は自覚症状がなく進行することが多く「気付いた時には重度まで進行していた…」なんてケースも少なくありません。

虫歯も歯周病も初期段階での治療は簡単な処置で済むことが多いため、患者さま自身の負担も軽減できます。

「痛いのが苦手」「治療が怖い」

という方こそ、予防歯科を受けておいたほうがいいでしょう。

全身の健康にも影響する

虫歯や歯周病を予防することは、全身の健康にも影響します。妊婦の方は歯周病により、低体重児の出産、早産などの可能性が高まります。そのほかにも誤嚥性肺炎の原因菌の多くは歯周病菌であることも分かっているため、特に高齢者の方は注意が必要です。【2】

健康な歯で食事を楽しめることは心身の健康問題にも直結します。全身の健康を維持するためにも予防歯科で自分の歯を守りましょう。

まとめ

予防歯科とは、虫歯や歯周病などのお口のトラブルを未然に予防し、健康なお口の状態を維持することを目的としています。

予防歯科の治療を継続して受けることで効果を期待できるでしょう。歯科医院での処置だけでなく自宅でもセルフケアを行えるよう一人ひとりに適した指導も行います。

もしも虫歯や歯周病になってしまった場合も、早期発見・早期治療が可能なため、患者さまの負担を軽減できます。歯医者が苦手な方こそ、大きな治療が必要にならないよう予防歯科を受けるべきでしょう。

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