混合歯列期に大活躍!プレオルソの概要やメリット、対応症例について

監修者

島田 実
歯科医師
中央歯科医院

経歴

1986年 富山中部高校卒業
1992年 日本歯科大学卒業
卒業後より、ストローマンインプラント他、インプラント治療に精力的に取り込む
1999年 中央歯科医院 開業
2000年 ストローマンインプラント認定
2003年 ITI Dental Implant JAPAN Clinical Research Group 加入
2017年10月 ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト認定

資格

・所属学会 講習会参加履歴
歯科医師臨床研修指導歯科医
日本一般臨床医矯正研究会
ITI Dental Implant JAPAN Clinical Research Groupメンバー
日本メタルフリー歯科学会

・所属団体
富山県歯科医師会
黒部市歯科医師会

・講習会参加履歴
2011年 ニューヨーク大学 日本プログラム(インプラント研修)
ITI シンポジウム等
プレオルソ研究会
将来を見据えた治療を提供することで地域のみなさんの健康増進に貢献したいと考えております。
治療への疑問、悩み等、ご相談ください。

子どもの歯並びや噛み合わせの問題は、将来的な歯と全身の健康、口腔機能に影響を与える可能性があります。実際、極端に食べるのが遅い子ども、滑舌が悪くいつまでも3.4才児のような話し方をしている子どもを見たことはありませんか?

そのような子どもたちは、成人する前に適切な治療を行うことが重要です。

最近注目されている治療法の一つが「プレオルソ」と呼ばれる矯正治療です。本日はプレオルソの概要やメリット、対応症例ついて詳しくご紹介します。

1.歯並びが悪いことで起こるデメリット

歯並びが悪いと、見た目だけでなく全身に影響を与えます。食事に時間がかかり、ダラダラ食べが続くと虫歯になりやすいです。また、噛み合わせが悪いと頭痛や顎の痛み、肩こりにつながります。特に噛み合わせは大切で、一部の歯に負担がかかると80歳、90歳になった時に天然歯が動揺し、抜けてしまう可能性もあります。

2.プレオルソの概要について

プレオルソは、マウスピースを使用した矯正治療法です。従来の矯正治療では、金属のブラケットやワイヤーを歯に取り付け、力をかけて歯を移動させる方法や、床拡大装置などが主流でした。

しかし、プレオルソではマウスピースの力を利用して、歯並びの改善を目指します。

2-2.プレオルソの特徴

プレオルソは装着感が軽く、生活に支障をきたしにくいため、子どもの初めての矯正治療には最適です。毎日指示に従ってマウスピースを装着し、食事や歯磨き以外の時間にも使用することで矯正の効果を発揮します。

また、プレオルソは柔らかい素材でできており、装着時の痛みがほとんどありません。割れたり壊れたりすることもほとんどありません。さらに、取り外しが可能なため、歯磨きや食事の際には便利です。

3.プレオルソの対象年齢

プレオルソは3才頃から使用することができます。乳歯が25本生え揃い、プレオルソをお口の中に入れられる子どもについては矯正治療を始めることができます。

一般的には、6歳臼歯(第一大臼歯)が生え揃い、前歯上下2本が永久歯になった6〜8歳頃からプレオルソ治療を開始する子どもが多く見られます。

4.プレオルソ治療開始の流れ

初回の診察時に、患者様の口腔内のデータを採取します。資料採取はお口全体のレントゲン写真(パントモ)、横顔のレントゲン(セファロ)、歯型(スタディモデル)、口腔内写真、顔貌写真などです。それに基づいて、歯並びや噛み合わせの問題を分析し、治療計画を立案します。その後、適切なサイズのプレオルソを装着していきます。

4-1.プレオルソ治療開始後の装着時間について

なによりプレオルソ開始直後は、お口の中に数分でも入れられることが大切です。

特に初めての矯正治療の子どもは、お口の中にものが入ることが、”異物感がある”と感じてしまい、長時間入れることが難しい場合もあります。

まずは目標を設定し、日中に30〜1時間の装着ができることを目指しましょう。徐々に慣れてきたら夜寝ている間に装着することを目標にしていきましょう。

4-2.プレオルソの通院頻度

プレオルソ治療を行っている方は、2〜3ヶ月に1度の通院を促している歯科医院が多いです。

前回ご来院の際から毎日装着時間を守れている方に関しては、プレオルソをお湯につけて調整し、現在の子どもの歯並びに応じた幅に広げます。

5.プレオルソのメリット

プレオルソの最大のメリットは、痛みや口内炎のリスクが少ないことです。金属製のブラケットやワイヤーが歯に摩擦を与えることで、痛みや口内炎が起こることがありますが、プレオルソではその心配がありません。また、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすく、いつでも清潔に保つことができます。

6.プレオルソの対応症例

プレオルソは、上顎前突、叢生、過蓋咬合などの状態に適応できますが、全ての症例に対して同じく有効ではありません。重度の歯並びの問題や噛み合わせの異常などは、ワイヤー矯正などに切り替える必要がある場合があります。そのため、まずは歯科医師との相談が重要です。

7.プレオルソが不向きな場合について

上記でも説明した通り、プレオルソは全ての子どもに適さない場合もあります。

それは歯並びに関する事柄だけでなく、口呼吸の癖のある子ども、慢性鼻炎の子ども、呼吸器系疾患(特に喘息)のある子どもなどは鼻呼吸が難しく窒息の恐れがあるためプレオルソが不向きです。

「プレオルソを検討されているけれど、慢性鼻炎がある」などの方は、まず耳鼻咽喉科に通院し治療を行ってからが望ましいです。

まとめ

プレオルソは柔らかい素材でできたマウスピースを使用した矯正治療であり、痛みや口内炎のリスクが少なく、取り外しが可能なため、生活に支障をきたしにくい矯正治療法です。ただし、全ての症例に対して有効ではないため、まずは歯科医師と相談することが大切です。

早期に問題を発見し、治療を開始することで、将来的な歯の健康を確保することができます。

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